インコを飼っているとクラミジアに罹りやすい?

インコをペットとして飼われている方であれば、オウム病(鳥クラミジア症)という名前をどこかで耳にされていると思います。オウム病はクラミジアの1種で、クラミジア・シッタシという細菌に感染することで発症します。
クラミジア病と呼ばれていたこともあり、以前はミナガグネラ病と呼ばれた時期もありました。オウム病クラミジアは人獣共通の感染症です。
鳥類はオウム病クラミジアの自然宿主であり、インコなど鳥自体は無症状であることがほとんどです。ですのでオウム病クラミジアの存在に気付かずに排泄物やエサの口移しなど、密接な接触から感染してしまいます。
エサの口移しをしていなくても、汚染された羽毛や糞便の塵埃を吸い込んでしまうことでも感染してしまいます。オウム病という名前から、インコなどペットで鳥を飼っていないから、と安心してはいけません。
オウム病クラミジア(鳥クラミジア症)は小動物などの、鳥以外の動物からも感染する危険があります。人に感染することで、軽症であればインフルエンザのような高熱や頭痛・筋肉痛・全身の倦怠感などが現われます。
放置してしまい治療が遅れることで、肺炎や気管支炎など呼吸器疾患を示すようになります。ペットのインコなど鳥自体はクラミジア・シッタシに感染していても無症状であるとしましたが、いざ発症した場合は元気がなくなり、食欲不振や緑色の便が見られ、最後は死んでしまいます。

クラミジア・シッタシという微生物を保菌している鳥から人へ感染するオウム病は、9歳から90歳までと幅広い年齢層に見られます。ところが、30歳未満の発症例は少ないといわれています。
子供や妊婦は抵抗力が弱いので、特に鳥との関係に注意が必要となります。動物園の鳥展示施設から集団感染したとの報告もあるので、鳥かごや鳥小屋の掃除を子供にさせることは極力避けてください。
オウム病に感染した場合は軽症では済まず、呼吸困難や多臓器不全、さらに悪くすれば死亡例も稀ですが報告されています。

オウム病で妊婦が死亡するケースもある

妊婦は胎児を育てるために、抵抗力が非常に低い状態にあります。ですので、オウム病に感染してしまうと、重症化する傾向にあります。稀ではありますが、妊婦の死亡例も2例発生しています。
オウム病の原因となるクラミジア・シッタシが体内に侵入すると、血液に乗って全身に回り、敗血症(全身に炎症を起こしている状態)に陥ります。この血液に異常を起こすことで、早産や流産・胎児の死亡などの可能性が高まります。
また肺炎になり呼吸困難になるリスクや、肝炎・胎盤不全というような重い症状になりかねません。
クラミジア・シッタシに感染しやすい時期は、鳥の繁殖期に当たる4月から6月に多く発症することが見られます。それ以外の、1月から3月にもやや多くなっています。クラミジア・シッタシに感染して発症するまで、4日から19日ほどの潜伏期間があるようです。
症状によってはインフルエンザを疑われるので、医療機関ではインコなどペットに鳥を飼っていることを告げるようにしてください。

インコなどの鳥をペットで飼っているからといって、必ずオウム病に感染するわけではありません。感染するには、口移しでエサをやる・同じ食器から食事を取る・鳥に触れたあと手を洗わない・1日中ずっと鳥と触れ合っているなど、接し方が間違っていることが多いようです。接触だけでなく、咬まれる事でも感染することがありますので、十分注意しながら触れるようにしてください。
クラミジア・シッタシという菌は非常に強力な生命力を持っていて、酸・アルカリ・乾燥にも絶えられます。とはいえ、高濃度の消毒用エタノールを使うことで殺菌効果が得られます。
子育て中の鳥はストレスが強く、体が弱ってクラミジア・シッタシ菌を排出し易い状態になっています。ペットだけでなく、野鳥の巣を見つけたら近づかないようにしましょう。